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技術志向のNISSHA

「印刷」を基盤に培った先進技術 産業資材・電子部品といった先進技術で知られるNISSHAですが、「日本写真印刷株式会社」という社名からも見て取れるように、もともとは高級美術印刷を中心とした紙の印刷から事業をスタートしました。現在、世界的な評価を得ているNissha IMD、タッチインプットという2つの先進技術は、「印刷」を基盤に培ってきたものですが、今後はどのように発展していくか。NISSHAの技術変遷について、最高技術責任者(CTO)橋本孝夫が語ります。

取締役常務執行役員 兼 最高技術責任者 橋本 孝夫(はしとも たかお)

Nissha IMD NISSHAの優位性を融合した先進技術

そもそもNISSHAが紙の印刷以外の事業に進出したきっかけを
教えてください。

紙の印刷の市場が一定の成熟を迎え、多くの印刷会社が水と空気以外のすべての物質に対する印刷の可能性を模索しはじめた時期がありました。そのなかでNISSHAはフィルムなどを介して多種多様な素材へと間接的に印刷する「転写」という技術で、独自のノウハウを磨きました。そして昭和42年にはテレビやステレオなどに用いる木目箔の「ニッシャパトラン」を発売。これがヒットし、紙以外の印刷に本格進出したわけです。

加飾フィルムの誕生ですね。そこからNissha IMDへと派生していきますが、技術的な側面から見たNissha IMDのポイントを教えてください。

Nissha IMDの技術エッセンスを一言で表すなら「グラビア印刷と転写を融合した技術」ということになります。いわばNissha IMDは当社の独自技術と言えると思います。グラビア印刷も高級美術印刷で培ってきた優位性があります。それぞれの特長を融合することで、「美しさ」という誰の目にも分かりやすい形で他社との差別化を強く打ち出すことができました。

グラビア印刷の技術・ノウハウを発展させてきたのですね。

印刷にはオフセット、凸版、スクリーンなど多様な工法がありますが、なかでもNissha IMDに最適なのは、微細なグラデーション、ファインな表現を特長とするグラビア印刷であるとの結論に至りました。NISSHAは創業以来、グラビア印刷のクオリティを追及してきました。だからこそ世界中のデザイナーの感性を刺激し、また彼らの高度な要求に応えることができたのです。

美しさ以外では、成形と転写を同時におこなえるのもNissha IMDの大きな強みですね。

もちろんそうです。成形と転写を同時におこなうことで生産リードタイムを大幅に短縮することができます。マスプロダクトでは、量産における時間とコストの削減が大きなアドバンテージとなります。

成形と転写を同時におこなうことで、具体的にどのような工程を省略できるのでしょうか。

携帯電話を例にとると、そこには透明の窓があり、金属部分があり、カラフルなデザインが施されています。Nissha IMD以外の技術では、透明素材、銘板でプレスした金属、着色樹脂と少なくとも3つのパーツで成り立っていました。それがNissha IMDなら透明樹脂で成形品を作り、同時に金属や色の付いた箔を転写するため、ひとつのプロセスで完成します。

取締役常務執行役員 兼 最高技術責任者 橋本 孝夫(はしとも たかお)

タッチインプット 超精細な印刷関連技術を応用

もうひとつ、NISSHAの先進技術の核にタッチインプットがありますが、この分野に進出したきっかけを教えてください。

30年ほど前、世の中がワープロからパソコンに移行しはじめた時期に、NISSHAはヒューマンインターフェイスのインプット・アウトプットに開発ベクトルを向けていました。そのなかで印刷で培ってきたパターニング技術を生かせるフィールドとして、タッチ入力システムに着目したわけです。

タッチインプットにはどのような印刷技術のノウハウが生かされているのでしょうか。

タッチインプットにはスクリーン印刷の技術を応用しています。製造工程において透明な膜に回路を構成していきますが、開発当時、膜の厚さなどを考慮した際にスクリーン印刷のパターニング技術、複製技術が最適だということが見えてきたのです。

超精密な印刷製版技術が生かせるというわけですね。

タッチインプットは小型の情報機器にも多く採用されていますが、当然ディスプレイ面積はできるだけ広く確保したい。そのためにもっと外枠を小さくしたいというニーズが存在します。枠の裏側には回路が隠されています。枠の幅を小さくするためには、より精密な回路が求められるため、これまで以上に精度の高いパターニングが求められてきます。つまりNISSHAの超精密な印刷関連技術は、今後より一層生かせるわけです。

印刷関連技術以外のアドバンテージも教えてください。

まずはタッチインプットに関して、NISSHAでは独自の評価技術を構築しています。これは安定した量産時には欠かせない要素です。さらにマテリアル、材料技術ですね。材料メーカーとの密接なコラボレーションによって、必要な材料のスペックをすべて把握しています。特にタッチインプットは高い透明度が求められます。用途によって強度、操作性などにも配慮しながら、できるだけ高い視認性を実現するためには、材料技術に関する確かな知識、ノウハウが求められるのです。

近年では、意匠を組み合わせたタッチインプットもありますね。

意匠と組み合わせることで、ディスプレイ部の段差をなくすなど、タッチパネル搭載製品のデザインの幅を大きく広げることに成功しました。まさしくNISSHAならではの総合的なバリューだと自負しています。

他にもタッチインプットの新たな開発状況などがあれば教えてください。

これまでNISSHAが主に開発してきたタッチインプットは抵抗膜方式と呼ばれるものですが、別のメリットを持つ静電容量方式でも意匠と一体化した形で開発を進めています。またタッチインプットにかなり早い段階から十分なリソースを投入し、修練を積み重ねてきたアドバンテージを生かし、今後はインプットに対してアディショナルな機能を開発し、まったく新しいスタイルのユーザーインターフェイスを創造しようというのが、この先3、4年の開発ベクトルになります。

今後も進化し続けるNISSHAであるために、将来を担う若い技術者には何が求められますか。

 

お話してきたようにNISSHAは、あらゆるフィールドを横断しながら新しい技術を生み出してきました。分野を問わずユニークなものづくりにチャレンジしたいという技術者なら、活躍の可能性が無限に広がる環境だと思います。ぜひ一緒に未来を創造しましょう。

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