株主・投資家のみなさまへ
当社をとりまく環境
2011年度第2四半期累計期間(2011年4月~9月、以下「当第2四半期累計期間」)におけるグローバル経済情勢は、欧米など先進国を中心とした景気減速の懸念が高まり、先行きに対する不透明感が拡大しました。また、日本経済は東日本大震災からの復興に伴い緩やかな回復基調にありましたが、世界経済情勢悪化への不安を背景に歴史的な円高が進んでおり、依然として今後の見通しが難しい状況にあります。
こうしたなか、当社は2010年度下期に業績回復のための取り組みに着手し、固定費と変動費の削減に注力してきましたが、2011年度通期の業績は大幅な売上高の減少とそれに伴う損失の拡大を予想しています。
業績悪化の要因と対策
業績の悪化には複数の要因や背景となる事情が複雑に絡み合っていますが、ここでは会社の外部要因と内部要因という切り口でご説明申し上げます。
外部要因としては、円高の進行による輸出採算の悪化、IT業界(当社の主要な市場である携帯電話、パソコンなど)において需要が乱高下し、競争激化による製品・サービスの低価格化が進んでいること、東日本大震災の影響によって需要が先送りとなった製品があることなどが挙げられます。
内部要因は、円高や価格競争の激化といった外部要因を克服するために、徹底した原価の引き下げや生産工場の海外移転などの方策を十分に取れなかったことであると認識しています。
円高や製品の需要変動・低価格化は一時的な現象ではなく、今後も継続すると見られます。
まずは現在の赤字を止血することに最大の努力を払い、厳しい環境下においても利益を創出できるコスト体質に変革し、次の成長へ向けて強固な事業基盤を構築します。そのためには減少した売上高の水準に見合った資産・人員の体制へと転換し、加えて、生産性の改善や材料費の引き下げ(海外購買比率の引き上げなど)を徹底的に断行する必要があります。
9月16日に90億円規模のコスト削減を掲げた構造改革強化策を公表しました。その骨子は以下のとおりです。
- 損益分岐点売上高の引き下げ
- 固定費の削減(約63億円)
生産工場・設備の閉鎖・除却などによる減価償却費の削減
役員報酬・管理職給与の追加削減、正社員の希望退職者募集などによる人件費の削減
その他の経費削減 - 変動費の削減(約27億円)
- 固定費の削減(約63億円)
- 生産拠点の統廃合
- 産業資材事業、ディバイス事業の国内生産工場の一部を閉鎖
- 情報コミュニケーション事業の一部設備を除却
- 円高対応力の強化
- 原材料の海外調達を促進
2011年度第2四半期の経営成績について
当第2四半期累計期間は、主力の産業資材事業・ディバイス事業における需要の低迷や変動が売上高・利益に大きな影響を与えました。
一方、上記構造改革強化策の実施に伴い、当第2四半期において事業構造改善費用を96億78百万円計上しました。また、当期および今後の業績動向を踏まえ、繰延税金資産の回収可能性を検討した結果、繰り延べ税金資産の一部を取り崩しました。
これらの結果、当第2四半期累計期間の業績は、売上高は440億87百万円(前年同期比19.2%減)、利益面では営業損失は41億81百万円(前年同期は10億20百万円の営業損失)、経常損失は48億8百万円(前年同期は14億41百万円の経常損失)、四半期純損失は196億3百万円(前年同期は11億3百万円の四半期純損失)となりました。
今後の復活に向けて
上記の構造改革強化策と並行して、今後の復活のための準備を始めています。一例として、当社独自の「印刷技術」を多様な分野に展開することを目指し、周辺技術を含めてその領域や組み合わせ方を再定義しています。
9月15日に発表した「モバイル機器向けワイヤレス充電筐体」は、当社の印刷技術・成形同時加飾技術と株式会社村田製作所の電界結合方式ワイヤレス電力伝送技術が融合した画期的な新技術で、幅広い分野・用途で採用されることが期待されます。
今後も、新たな製品の開発や市場分野の開拓を通じて、特定の製品群や対象市場に偏重している現在の事業ポートフォリオを、よりバランスの取れたものへと改めていきます。
当社が担う製品やサービスの市場は競争が激しく、陳腐化・コモデティ化が急速に進展する性質があります。したがって、常に他社ができない、他社が追いつくのに時間を要するような技術や製品を開発することが必要です。これはリスクを恐れていては実現できません。未来へ向けてチャレンジする企業文化を育てながらも、これまで以上に規律ある意思決定と仕事を行うことによって、リスクをコントロールし乗り切っていく考えです。
最後に
株主・投資家のみなさまには、業績や配当の点で大変ご心配をおかけしており、誠に申し訳ございません。構造改革強化策を断固として完遂し、2012年度には黒字に復帰するよう、経営者・社員一同全力で臨みます。
引き続き、みなさまのご支援・ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
