Home > CSR > 第三者意見

第三者意見

日本写真印刷のCSR報告を読んで

真のグローバル企業、強い会社を目指すための体制作り

神戸大学大学院経営学研究科教授 國部克彦

神戸大学大学院経営学研究科教授 國部克彦

日本写真印刷は、現在社内での改革を進めておられます。社会情勢の変化に対応した事業構造の変更に伴い、グローバルに拡大したグループ全体を見渡すことのできる管理体制の構築が急務との認識のもと、品質管理体制からサプライチェーンやロジスティック戦略を含めた大きな枠組みでの見直し、より効率的なCSR経営を浸透させる体制作りを目指した改革を進められていることは、高く評価されます。

CSR項目の指標化の必要性

本報告は、ISO26000の7つの中核課題に沿って構成されています。グローバル企業として、CSRのISOを意識していることは評価することができ、ISOに沿って活動をリストアップすることで、日本写真印刷のCSR活動の強みと課題が明らかになると思われます。今後の課題の一つとして、CSRに関する目標と実績の対比があげられます。CSR活動の進捗状況を可能な限り定量的な情報を活用して「ステイクホルダー」に知らせることは、これらの課題に対してPDCAのマネジメントサイクルが有効に機能していることの証左にもなるので、今後検討されること期待します。

環境保全への対応について

2010年度はエネルギー使用量やCO2排出量の増加など環境負荷が増加し、売上高を分母とする環境指標の原単位が悪化しています。これは製品構成の変化や新工場の稼働などによるものであり、いわば過渡期の現象であるといえます。しかしながら総量での削減が求められる現在、事業の変化や拡大による環境負荷の増大も織り込んだ対策が求められます。環境パフォーマンスの改善には生産効率の改善と連動させて進めることが有効なので、資源生産性向上のような共通の目標を持つことをお勧めします。

開示媒体の変更について

2010年度報告より、WEBのみでの開示となりました。これは情報検索にWEBを活用する利用者の増加に対応しており、必要な情報にたどり着きやすく、知りたい情報がある利用者には大変便利です。しかしながら、報告の全体像を示すためにも、報告書形式(PDF対応)への対応も同時に検討される方がよいと思われます。今後は、CSRレポート以外の情報との連携を密接にすることで、「企業情報」としてますます情報の価値を高めることを期待しています。